| 小説レビュー の記事一覧 | ||
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| 『禍家』三津田信三・著【読後感想】 | ||
| 2007.09.01.Sat / 08:24 | ||
映画「呪怨」を思わせる表紙、交通事故で両親亡くした主人公の少年が祖母と引っ越してきた(前に見たことがあるような……)町には、忌まわしそうな森と奇妙なことを口走る老人が。 本格ホラーの出だしで始まる、本作品は次第に恐怖の度合いを増していき、主人公の恐怖感がひしひしと伝わってきて、ほんとに怖がりながら読み進めました。 そのため、作者のトリックにまんまと引っかかってしまい、完全に騙されました。 これ以上はネタバレになってしまうため、詳しくは書きませんが。 帯にある通り、【この才能、恐るべし!】です。 とても面白い小説でした。こんな作品の作り方もあるんだな、と驚かされました。 著者は、以前からホラーやスリラーとミステリを融合させた作品を書いていたのに、ここでまだ騙されるなんて。 次回作もとても期待しています。 この騙され感は、爽快でクセになりそうです。 三津田信三氏の作品を読んだことがない方は、是非読んでみて下さい。 |
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| 『神様ゲーム』麻耶雄嵩・著 |
| 2005.08.16.Tue / 18:20 |
![]() 『神様ゲーム』 講談社 ミステリーランド(2005.07.06初版) 主人公は、小学4年生の黒沢芳雄。彼のクラスメート鈴木太郎は、自分のことを「神」だと言う。 主人公の周りで起こる奇妙な事件の犯人を、神はズバリと言ってのける。 ミステリ小説は、事件の後にいろいろな証拠・状況を積み重ねて犯人に至るのが普通だが、この作品はこれが全く反対になっている。 最初に犯人が提示されて、その後に推理が展開される。 しかも犯人を言い当てるのは、「神」。 これは、とても面白い趣向だと思いました。「神」が間違わないことを前提として、矛盾が無いように推理を組み立てる。 しかし、ラストはどう考えても納得がいかない。 どういう事なのか、誰か謎解きして下さい。 |
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| 『異進化猟域バグズ』大濱真対・著 |
| 2005.08.07.Sun / 18:29 |
![]() 『異進化猟域バグズ』 光文社 カッパ・ノベルスKappa-One(2005.05.25初版) 近未来の東京、特殊能力を持つ人種”バグズ”が引き起こす犯罪を取り締まる組織「ビーハイヴ」もまたバグズで構成されている。 主人公リョウもまたバグズであり、ビーハイヴに誘われ、バグズ同士の戦闘に巻き込まれていく。と同時に個人的な復讐の捜査も独自に行っていく。 作者のオリジナル長編第1作らしいこの作品、まだ文章がこなれていないというか、少し読みにくかったです。もう少し筆力があれば、キャラも立ち、血湧き肉躍る活劇小説になるんだろうけど。 ストーリーの方も先が読める展開で、ちょっと物足りなかった。 次作に期待と言うところかな。 |
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| 『館島』 東川篤哉・著 |
| 2005.07.30.Sat / 18:40 |
![]() 『館島』 東京創元社 ミステリ・フロンティア(2005.05.31初版) 大仕掛けの館ものの本格ミステリ小説。 作者らしい、コミカルなスタイルですが、柱となる謎の構成、伏線の張り方はしっかりとしていて、楽しめました。 瀬戸内海の小島にそびえ立つ、六角形の巨大で奇妙な館。そこに集う血縁者たち、連続殺人、台風によって孤立した状況、過去の未解決事故(事件)。これこそ、本格ものの醍醐味ですね。 登場人物たちは、愉快で親しみやすい人が多く、陰惨な事件が起こっているのに何故か緊張感があまり感じられません。 まあ、緊迫したシーンはそれなりにシリアスなのですが。 今回の探偵役・小早川沙樹を主人公に1編書いてくれないかな。 島田荘司氏の『斜め屋敷』、綾辻行人氏の『十角館』に比肩する作品だと思います。 途中で、館のトリックはわかりましたが、それでもなお面白く最後まで読めました。 「烏賊川市シリーズ」の新作も期待してます。 |
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| 『メフィストの魔弾』嬉野秋彦・著 |
| 2005.07.24.Sun / 18:47 |
![]() 『メフィストの魔弾』 徳間書店 トクマ・ノベルズEdge(2005.06.30初版) トクマ・ノベルズ新シリ−ズ"TOKUMA NOVELS Edge"第2弾。 ライトノベルで書いている作家さんを中心に刊行しているこの新シリーズ、遂に嬉野秋彦が登場したので、買ってみました。 スピーディなストーリー展開、アクションシーンの面白さは、流石。 が、ノベルズでは、ライトノベルでは読めなかったHなシーンが多くて、こんな場面も描けるんだと、新鮮でした。 嬉野氏が書く、アクション伝奇の面白さは知っているので、これからはノベルズの分野でも頑張ってもらって、菊地秀行や夢枕獏のようなエロスを盛り込んだ伝奇小説書きになって欲しいと、勝手に期待してます。 物語の方はー殺し屋の副業を持つ美貌の編集者ひさぎが、魔弾を放つ銃を悪魔から与えられ、悪魔とも神ともつかぬ種族の覇権争いに巻き込まれていくーというもの。 読後、壮大な物語の序章となっているような印象を受けましたが、シリーズ化するのだろうか。 何にしても、ノベルズでの次回作が楽しみ。 |
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| 『子どもたちは夜と遊ぶ(上・下)』辻村深月・著 |
| 2005.07.11.Mon / 18:53 |
![]() ![]() 『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』 『子どもたちは夜と遊ぶ(下)』 講談社 講談社ノベルス(2005.05.07初版) 前作『冷たい校舎の時は止まる(全3巻)』でメフィスト賞受賞デビューを果たした、新人女流作家の長編第2作目。 前作は高校生、今回は大学生の違いはあるが、切なくノスタルジックな雰囲気は前作同様。 この作品全体を覆う、なんとも言い難い切なさが、この作家の最大の魅力だと思う。 登場事物一人一人の背景まで細かく描いているため、心の揺れや葛藤がとてもリアルに感じられる。 その登場人物たちが、ミステリを緻密に構成していく。 本格小説としても、青春小説としても楽しめる作品。 切なくて、哀しい雰囲気なのに、読後清涼感が味わえた面白い小説だった。 次作が楽しみだけど、これだけのボリュームのある作品を書き続けるのは大変だろうな。 半年後くらいに期待してます。 |
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| 『夜怪公子』 菊地秀行・著 |
| 2005.06.12.Sun / 23:50 |
![]() 『夜怪公子』 菊地秀行・著 祥伝社 ノン・ノベル(2005.05.30初版) 5年ぶりの”ドクター・メフィスト”シリーズ最新刊! 出版社が祥伝社に移ってます、これで移籍は2度目ですね(角川→講談社→祥伝社)。 が、カバーイラストは変わらず、末弥純氏が描いています(流石に美しい絵ですね)。 内容の方は、5年のブランクを埋めるに十分なボリューム&密度。とても満足しました。 今回の敵は、西洋産の吸血鬼一族。なんとも<魔界都市>にふさわしい敵に、期待も膨らむというもの。 <魔界都市>の吸血鬼といえば、『夜叉姫伝』が最高傑作で、これに勝る作品は出ないだろうと思ってました。 しかし、そこは流石に菊地氏ですね、メフィストに相対するにふさわしい敵を創造してきました。 そして脇を固める人物も豪華絢爛。屍、夜香、ふゆはる、と戸山住宅の面々。 この「新宿」最強が束になってかかっても、苦しむという大吸血鬼とは? ほんと、久々のメフィストもの、堪能しました。 作者にお礼を言いたい気分。そして、次作もお願いします。 |
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